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 ペルシア語文化圏における形成と展開普遍史の変貌

普遍史の変貌 ペルシア語文化圏における形成と展開

A5判 456ページ 上製
定価:6,300円+税
ISBN978-4-8158-0891-4 C3022
奥付の初版発行年月:2017年12月 / 発売日:2017年12月中旬

内容紹介

歴史叙述の根底を問い直す――。前近代の世界には、天地創造に始まる人類の系譜を描く 「普遍史」 という歴史類型が存在した。著名な 『王書』 や 『集史』 から、地方王朝やモンゴル時代の多様な手稿本までを徹底的に調査し、世界認識のダイナミックな変容を跡づける力作。

著者プロフィール

大塚 修(オオツカ オサム)

1980年、東京に生まれる。2003年、東京大学文学部卒業。2012年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。現在、同研究科助教。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 凡 例
 地 図

序 章 普遍史研究の展望と意義
     はじめに 問題の所在
     1 問題設定
     2 先行研究
     3 時代設定
     4 普遍史の定義
     5 用語の定義
     6 本書の構成

  第Ⅰ部 『王書』 以前の古代ペルシア史叙述
         —— 『王の書』 から 『王書』 へ

第1章 旧約的普遍史と古代ペルシア史の相克
     はじめに
     1 アラブの系譜学者と古代ペルシア史
       (1) イブン・ハビーブ 『美文の書』
     2 イブン・ムカッファアと古代ペルシア史
       (2) イブン・クタイバ 『知識』
       (3) ディーナワリー 『長史』
       (4) 『ペルシア・アラブの諸王の歴史に関する究極の目的』
     3 古代ペルシア四王朝叙述法の萌芽
       (5) ヤアクービー 『歴史』
       (6) タバリー 『預言者と王の歴史』
       (7) マスウーディー 『黄金の牧場』 / 『助言と再考の書』
       (8) クダーマ・ブン・ジャアファル 『租税の書』
     章 結

第2章 『王の書』 の 「復活」 と流行
       —— ペルシア系地方王朝における普遍史
     はじめに
     1 ハムザ・イスファハーニーによる古代ペルシア史の再編
       (1) ハムザ・イスファハーニー 『王と預言者の年代記』
     2 ペルシア語歴史叙述の萌芽と 『王の書』 の流行
       (2) アブー・マンスール 『王書』
       (3) バルアミー 『歴史書』
     3 ハムザ・イスファハーニー後のアラビア語古代ペルシア史叙述
       (4) マクディスィー 『創始と歴史』
       (5) フワーリズミー 『学問の鍵』
       (6) ミスカワイフ 『諸民族の経験』
       (7) ビールーニー 『過去の痕跡』
     章 結

第3章 フィルダウスィーの 『王書』 と古代ペルシア史
       —— ガズナ朝における普遍史
     はじめに
     1 フィルダウスィーの古代ペルシア史叙述
       (1) フィルダウスィー 『王書』
     2 フィルダウスィーと同時代の古代ペルシア史叙述
       (2) サアーリビー 『列王伝精髄』
       (3) ガルディーズィー 『歴史の装飾』
     章 結

 第Ⅰ部結論

  第Ⅱ部 ペルシア語普遍史書の成立
         —— 『王書』 から 『選史』 へ

第4章 『王書』 の流行とペルシア語普遍史
     はじめに
     1 セルジューク朝時代の 『王書』 の評価
     2 セルジューク朝時代の古代ペルシア史叙述
       (1) ガザーリー 『諸王への忠告』
       (2) イブン・バルヒー 『ファールスの書』
       (3) 『史話要説』
       (4) ファフル・ラーズィー 『光の真実』 / 『知識の集成』
       (5) イブン・イスファンディヤール 『タバリスターン史』
     3 アラビア語普遍史書における古代ペルシア史叙述
       (6) 『天文学者教程』
       (7) イブン・ジャウズィー 『整然たる歴史』
       (8) イブン・アスィール 『完史』
     4 奴隷王朝における古代ペルシア史叙述
       (9) ファフル・ムダッビル 『系譜書』
       (10) ジューズジャーニー 『ナースィル史話』
     章 結

第5章 ペルシア語普遍史とオグズ伝承
       —— アブー・サイードの即位まで
     はじめに
     1 ガザン以前のペルシア語普遍史書
       (1) バイダーウィー 『歴史の秩序』
       (2) ザッジャージー 『吉兆の書』
     2 ガザン以降のペルシア語普遍史書
       (3) カーシャーニー 『歴史精髄』
       (4) ラシード・アッディーン 『集史』
       (5) バナーカティー 『バナーカティー史』
    章 結

第6章 旧約的普遍史、古代ペルシア史、オグズ伝承の接合
       —— アブー・サイードとギヤース・ラシーディーの時代
     はじめに
     1 三つの人類史の接合
       (1) ハムド・アッラー・ムスタウフィー 『選史』
     2 アブー・サイード期のペルシア語普遍史書
       (2) アフマド 『心優しい子ども』
       (3) シャバーンカーライー 『系譜集成』
       (4) アクサラーイー 『月夜史話』
     章 結

 第Ⅱ部結論

  第Ⅲ部 ペルシア語普遍史書の再編
         —— 『ペルシア列王伝』 から 『歴史集成』 へ

第7章 古代ペルシア史の再編
       —— ハザーラスプ朝におけるペルシア語文芸活動と 『ペルシア列王伝』
     はじめに
     1 ハザーラスプ朝史研究の意義
     2 ヌスラト・アッディーンによる文芸活動の庇護・奨励
       (1) シャラフ・カズウィーニー 『ペルシア列王伝』 / 『ヌスラト書簡集』
       (2) 著者不明 『贈物』
       (3) シャムス・ファフリー 『ヌスラトの尺度』
       (4) ヒンドゥーシャー 『先祖の経験』
       (5) 著者不明 『諸民族の経験』
     3 献呈作品におけるヌスラト・アッディーンの表象
     4 『ペルシア列王伝』 に対する需要
       (6) ニークパイ・ブン・マスウード 『ニークパイの歴史』
     章 結

第8章 イランの地の地方政権とイラン概念
     はじめに
     1 ヤズド・ニザーム家の名士シャムス・フサイニー
       (1) アリー・トゥスタリー 『諸王への贈物』
     2 インジュー朝
       (2) アームリー 『高貴なる諸学問』
     3 ジャラーイル朝
       (3) アハリー 『シャイフ・ウワイス史』
     4 ムザッファル朝
       (4) アラー・カズウィーニー 『探求者の道』
       (5) アバルクーヒー 『歴史の天国』
     章 結

第9章 イランの地の歴史からイランとトゥランの歴史へ
       —— ティムール朝時代
     はじめに
     1 ティムール朝史と普遍史の接合
       (1) 『イスカンダル無名氏の史書』
       (2) 『ムイーンの歴史精髄』
       (3) イブン・イナバ 『スルターンの諸章』
     2 オグズ伝承と古代ペルシア史の融合
       (4) ヤズディー 『勝利の書』
     3 ハーフィズ・アブルーによるペルシア語普遍史の再編
       (5) ハーフィズ・アブルー 『歴史集成』
     4 ティムール朝におけるペルシア語普遍史書の手稿本作成
     章 結

終 章

 付表 普遍史書における古代ペルシア史叙述の変遷
 参考文献
 あとがき
 図表一覧
 索 引


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