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 『大旅行記』 をめぐる新研究イブン・バットゥータと境域への旅

イブン・バットゥータと境域への旅 『大旅行記』 をめぐる新研究

A5判 480ページ 上製
定価:5,800円+税
ISBN978-4-8158-0861-7 C3022
奥付の初版発行年月:2017年02月 / 発売日:2017年02月上旬

内容紹介

中国、インド、北方ユーラシア、アフリカなど、イスラーム世界の海・陸の 「境域」 情報を伝える 『大旅行記』 は、まさに記録史料の宝庫と呼ぶにふさわしい。なぜ巡礼を超えて未知なる驚異の領域へと踏み込んでいったのか。その足跡と写本を追って世界を旅し、完訳を成し遂げた碩学による新たな到達点。

著者プロフィール

家島 彦一(ヤジマ ヒコイチ)

1939年 東京に生まれる
1966年 慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授,
早稲田大学教育学研究科特任教授などを経て
現 在 東京外国語大学名誉教授,文学博士(慶應義塾大学)
著 書 『イスラム世界の成立と国際商業』(岩波書店,1991年)
    『海が創る文明』(朝日新聞社,1993年)
    『イブン・バットゥータの世界大旅行』(平凡社,2003年)
    『海域から見た歴史』(名古屋大学出版会,2006年)
    『イブン・シュバイルとイブン・バットゥータ』(山川出版社,2013年)他
訳 書 イブン・バットゥータ『大旅行記』(イブン・ジュザイイ編,全8巻,平凡社,1996-2002年)
    匿名者,アブー・ザイド『中国とインドの諸情報1・2』(全2巻,平凡社,2007年)
    イブン・ファドラーン『ヴォルガ・ブルガール旅行記』(平凡社,2009年)
    ブズルク・ブン・シャフリヤール『インドの驚異譚』(全2巻,平凡社,2011年)
    イブン・シュバイル『メッカ巡礼記』(全3巻,平凡社,2016年)他

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 第Ⅰ部 イブン・バットゥータ研究のために

 概 観

第1章 イブン・バットゥータの生涯とその時代
     はじめに
     1 家系・家族・生い立ち
     2 イスラーム世界の境域をめぐる旅とその目的
     3 旅の目的
     4 『大旅行記』 成立の事情
     5 編纂者のイブン・ジュザイイについて
     6 晩年のイブン・バットゥータ

第2章 『大旅行記』 の構成と諸写本
     はじめに
     1 構 成
     2 現存する 『大旅行記』 の諸写本の分類
     3 『大旅行記』 の諸写本
     結びに代えて

第3章 『大旅行記』 の真偽性をめぐる議論
     1 『大旅行記』 の研究
     2 史書に現れた 『大旅行記』 とその評価
     3 現代の研究者による 『大旅行記』 の真偽性をめぐる議論
     結びに代えて

第4章 紀行文学としてのメッカ巡礼記
     はじめに
     1 イブン・ジュバイルとイブン・バットゥータの旅
     2 マグリブ地方におけるリフラの意味
     3 リフラの時代区分
     結びに代えて

  第Ⅱ部 海の境域への旅 —— イブン・バットゥータの見たインド洋海域世界

 概 観

第1章 インド洋海域世界の隆盛と中国船
     はじめに
     1 ジュンクとザウの語源
     2 イブン・バットゥータの中国旅行

第2章 マラッカ海峡の港市国家スムトラ・パサイ王国
     はじめに
     1 スムトラ・パサイ王国の外港サルハー
     2 スムトラ・パサイ王国のイスラーム化
     3 マリク・ザーヒルの統治とチェールマン・ペルマール伝承

第3章 イブン・バットゥータのマルディヴ諸島訪問
     はじめに
     1 マルディヴ諸島の地理的知識
     2 イスラーム改宗をめぐる問題
     3 女王ハディージャと王位継承問題

第4章 東アフリカ・スワヒリ世界の形成とクルワー王国
     はじめに
     1 東アフリカ海岸に沿ってクルワー王国への船旅
     2 文献史料に現れたサワーヒルとスワヒリ
     3 クルワー王国の隆盛とスファーラ金
     4 クルワーのスルタンたちによる王権の確立

第5章 アラビア海を結ぶ人の移動と交流
     はじめに
     1 クルワー王国のスルタンたちのメッカ巡礼
     2 ラスール朝のスルタン=マスウードによる二度のキルワ亡命
     3 『キルワ年代記』 とラスール朝記録史料との比較
     結びに代えて

  第Ⅲ部 陸の境域への旅 —— ユーラシアとサハラ・スーダーン

 概 観

第1章 アナトリア世界のトルコ・イスラーム化
     はじめに
     1 トゥルキーヤの名称
     2 ビザンツ帝国の境域地帯に成立したテュルク系諸侯国
     3 アナトリア・アヒーについて

第2章 境域としてのドナウ・デルタとバーバー・サルトゥーク伝承
     はじめに
     1 境域で活動するスーフィー聖者たち
     2 サルトゥークの街、ババ・ダグ

第3章 ブルガール旅行はフィクションか
     はじめに
     1 キプチャク・ハーン国の北辺の町ブルガール
     2 S・ヤニセクの主張によるブルガール情報への疑問
     3 〈暗黒の地〉 に関するアブー・ハーミドの記録との比較

第4章 中央アジアとインドを結ぶヒンドゥー・クシュ越え交通ルート
     はじめに
     1 ヒンドゥー・クシュを越えてインダス河畔へ達するルート
     2 〈アズィーズ〉 と呼ばれる移住者たち
     3 トゥグルク朝スルタンの権威とアッバース朝カリフの神権性

第5章 サハラ砂漠を越えてのイスラーム・ネットワーク拡大
     はじめに
     1 スーダーン旅行の動機・目的は何か
     2 サハラ越えの長距離キャラバン・ルート
     3 マーッリー・タクルール王国の王都はどこか

おわりに


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