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自然は方程式で語る 力学読本

自然は方程式で語る 力学読本

A5判 560ページ 並製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-8158-0708-5 C3042
奥付の初版発行年月:2012年09月

内容紹介

これまでの教科書では力学を理解しきれなかった人や、さらに深く学び直したい人に向け、数式の「行間」をしっかりと解説。大学初年次で修めるべき内容をほぼ網羅しており、日常事例を通じて納得しながら系統的に独習できる。本書読破の暁には、自然が語りかけるのが聴こえるだろう。


目次

(数式等は行形式で表示してあります)

   第Ⅰ部 力学の語りかた

第1章 ニュートンの運動方程式のありがたみ
  1-1 第2法則 (運動の法則)
    1-1-1 ニュートンの第2法則
    1-1-2 最小作用の原理
    1-1-3 (物体固有の量) × (運動表示の量) という形
    1-1-4 ニュートンとライプニッツの時間微分の記法
  1-2 第1法則 (慣性の法則)
    1-2-1 慣性系と非慣性系
  1-3 第3法則 (作用・反作用の法則)

第2章 落下運動は語る
  2-1 落下運動と初期条件
    2-1-1 ニュートンの運動方程式で落下運動を見る
    2-1-2 速度の初期条件
    2-1-3 z位置の初期条件
  2-2 砲弾の軌道
    2-2-1 城塞が地表にあるとき (h = 0)
    2-2-2 城塞が地表より高いとき (h > 0)
  2-3 空気の抵抗を考える
    2-3-1 粘性抵抗がはたらく落下運動
    2-3-2 慣性抵抗がはたらく落下運動
    2-3-3 粘性抵抗ならびに慣性抵抗がはたらく場合の落下運動
    2-3-4 雨滴の落下運動
    2-3-5 アリの落下運動

第3章 力学量と単位
  3-1 力学量
    3-1-1 位置と時間
    3-1-2 速度と加速度
    3-1-3 力
    3-1-4 質量と重さ
    3-1-5 角と角速度
  3-2 次元と単位
    3-2-1 次元
    3-2-2 単位

第4章 力学の概念
  4-1 運動量と力積
    4-1-1 運動量
    4-1-2 運動方程式と運動量の保存
    4-1-3 力積
  4-2 角運動量と力のモーメント
    4-2-1 角運動量
    4-2-2 回転の運動方程式
    4-2-3 力のモーメントと偶力
  4-3 仕事
    4-3-1 仕事
    4-3-2 つり合いと仕事
  4-4 エネルギー
    4-4-1 運動エネルギー
    4-4-2 位置エネルギーあるいはポテンシャル・エネルギー
    4-4-3 エネルギーの保存
    4-4-4 力とエネルギー (仕事) の次元と単位

   第Ⅱ部 振り子の振動が語ること

第5章 ばねの運動は語る
  5-1 単振動
    5-1-1 単振動の運動方程式を解く
    5-1-2 単振動のエネルギー
  5-2 減衰振動
    5-2-1 ω_0^2 > η^2 の場合
    5-2-2 ω_0^2 < η^2 の場合
    5-2-3 ω_0^2 = η^2 の場合
    5-2-4 2階微分方程式の解は2つ存在する
  5-3 強制振動
    5-3-1 非斉次微分方程式を解く
    5-3-2 強制振動の振る舞い

第6章 単振り子は語る
  6-1 単振り子の運動方程式
  6-2 振り子の微小振動
    6-2-1 テイラー展開、マクローリン展開
    6-2-2 張力と振動角の関係
  6-3 仕事、エネルギー、束縛運動
    6-3-1 仕事とエネルギー
    6-3-2 束縛運動
  6-4 振り子の回転運動
    6-4-1 棒の場合
    6-4-2 ひもの場合

第7章 慣性系と慣性力をつかう
  7-1 平行移動する座標系
    7-1-1 慣性系
  7-2 回転する座標系
    7-2-1 回転座標系表示の速度と加速度
    7-2-2 回転系の単位ベクトルとその時間変化
    7-2-3 回転系の運動方程式
    7-2-4 慣性系と回転系におけるベクトルの時間微分
    7-2-5 遠心力とコリオリ力と向心力

第8章 地球自転の効果を地上でみる
  8-1 気象現象
    8-1-1 台風の渦の回転方向
    8-1-2 偏西風と貿易風
    8-1-3 気圧と風の流れ
    8-1-4 実効的な重力
  8-2 ナイルの放物線
    8-2-1 落下物体の運動方程式
    8-2-2 逐次近似計算
    8-2-3 具体的な運動の例
  8-3 フーコーの振り子
    8-3-1 座標系と運動方程式
    8-3-2 運動方程式を解く-1
    8-3-3 運動方程式を解く-2

   第Ⅲ部 惑星運動と原子核散乱が語ること

第9章 2体系の運動へひろげる
  9-1 2体系の運動方程式
    9-1-1 全運動量の保存
    9-1-2 全角運動量の保存
    9-1-3 重心と相対座標
    9-1-4 2体系における回転運動
    9-1-5 簡単な例としての太陽と地球の2体系
  9-2 万有引力とポテンシャル
    9-2-1 万有引力の特性
    9-2-2 万有引力のポテンシャル

第10章 惑星の運動は語る
  10-1 歴史的背景
    10-1-1 コペルニクスからニュートンへ
    10-1-2 ケプラーの3法則
  10-2 惑星の運動を解く
    10-2-1 角運動量に着目する
    10-2-2 運動方程式を解く
    10-2-3 u´= Acosθ を読む
    10-2-4 ケプラーの第1法則
    10-2-5 ケプラーの第3法則
    10-2-6 実際の惑星の離心率と軌道
  10-3 惑星の運動とポテンシャル
    10-3-1 遠心力のポテンシャル
    10-3-2 2つのポテンシャルの振る舞い
    10-3-3 エネルギーと運動
    10-3-4 エネルギーEと離心率ε
  10-4 潮汐効果
    10-4-1 地球と月と太陽と
    10-4-2 太陽による潮汐力
    10-4-3 潮汐作用と衛星イオの火山活動

第11章 原子核の散乱は語る
  11-1 クーロン力による散乱
    11-1-1 運動方程式と有効ポテンシャル
    11-1-2 斥力がはたらくときの特殊性
    11-1-3 粒子の軌道
  11-2 ラザフォード散乱
    11-2-1 衝突係数b
    11-2-2 散乱と有効ポテンシャル
    11-2-3 原子の構造を探る
  11-3 原子、原子核の構造研究
    11-3-1 電子と原子
    11-3-2 ラザフォード実験の意義
    11-3-3 軌道電子の影響と散乱
    11-3-4 トムソンのモデルの場合
    11-3-5 硫化亜鉛とシンチレーション
    11-3-6 量子力学

第12章 球の衝突は語る
  12-1 1次元での球の衝突
    12-1-1 反発係数
    12-1-2 エネルギー保存則
    12-1-3 バットでボールを打つ
  12-2 2次元での球の衝突-1
    12-2-1 ホームランを打つには
    12-2-2 ビリヤード球
  12-3 2次元での球の衝突-2
    12-3-1 連立方程式を解く
    12-3-2 ν’_(A,B) が2根をもつ理由
    12-3-3 実験室系での衝突

第13章 n体系の運動へひろげる
  13-1 n体系の運動方程式
    13-1-1 n体系の重心と相対座標
    13-1-2 n体系の運動量
    13-1-3 n体系の運動方程式
    13-1-4 n体系の運動エネルギー
  13-2 n体系の角運動量
    13-2-1 角運動量の運動方程式

   第Ⅳ部 こまの回転が語ること

第14章 剛体の回転に慣性モーメントをつかう
  14-1 重心のまわりの回転運動
    14-1-1 剛体の回転自由度は3つ
    14-1-2 角速度は剛体のすべての領域で同じ
    14-1-3 重心のまわりの回転運動
    14-1-4 回転のエネルギーと慣性モーメント
  14-2 角運動量と慣性モーメント
    14-2-1 円板の角運動量と慣性モーメント
    14-2-2 円柱の角運動量と慣性モーメント
    14-2-3 一般の慣性モーメント
    14-2-4 平行軸の定理
  14-3 慣性モーメントの計算例
    14-3-1 棒の慣性モーメント
    14-3-2 板の慣性モーメント
    14-3-3 直方体の慣性モーメント
    14-3-4 円殻の慣性モーメント
    14-3-5 球殻の慣性モーメント
    14-3-6 厚みのある球殻の慣性モーメント
    14-3-7 慣性モーメント計算のためのいくつかの問
    14-3-8 簡単な形状の剛体の慣性モーメント

第15章 固定軸まわりの回転運動は語る
  15-1 斜面をころがる剛体の運動
    15-1-1 運動方程式を立てる
    15-1-2 運動方程式を解く
    15-1-3 剛体のエネルギー
  15-2 物理振り子
    15-2-1 回転の運動方程式を立てる
    15-2-2 微小な振動の場合
  15-3 ヨーヨーの運動
    15-3-1 糸を巻き付けた円板の運動
    15-3-2 糸を巻き付けた円板と重りの運動
    15-3-3 ヨーヨーの運動
  15-4 撃力とビリヤード球
    15-4-1 撃力
    15-4-2 ビリヤード
    15-4-3 戻るゴルフボール

第16章 剛体に固定した座標系とオイラー角をつかう
  16-1 剛体に固定した座標系O´の必要性
    16-1-1 自由度は1から3へ
    16-1-2 回転運動をどの座標系で見るのがよいか?
  16-2 オイラー角と回転座標系O´
    16-2-1 オイラー角を導入する
    16-2-2 O´系による表示の仕方
    16-2-3 O´系による角速度ベクトルの表示
  16-3 慣性モーメントはテンソル量
    16-3-1 角運動量と慣性テンソル
    16-3-2 回転運動を束縛力の観点からみる
    16-3-3 慣性テンソルを対角化する
    16-3-4 剛体の運動エネルギーと慣性モーメント
  16-4 オイラーの運動方程式
    16-4-1 おさらい: 慣性系と回転座標系
    16-4-2 慣性系と剛体に固定した座標系
    16-4-3 オイラーの運動方程式
    16-4-4 混乱をきたしている諸君へ

第17章 固定点まわりの回転運動は語る
  17-1 剛体の自由回転運動
    17-1-1 力のモーメントが作用しないときのオイラーの運動方程式
    17-1-2 地球の歳差運動
  17-2 ラグランジュのこま-1
    17-2-1 ω=ϕ ̇e_z+θ ̇e_y’+φ ̇e_3=ω_1 e_1+ω_2 e_2+ω_3 e_3
    17-2-2 力のモーメントが作用するときのオイラーの運動方程式
    17-2-3 運動方程式を解く-保存量
    17-2-4 運動方程式を解く-角速度ϕ ̇、θ ̇、φ ̇
    17-2-5 有効ポテンシャル
    17-2-6 U_eff (θ) の振る舞い
  17-3 ラグランジュのこま-2
    17-3-1 こまの軸の動き
    17-3-2 定常的な歳差運動
    17-3-3 地球の歳差運動-2
    17-3-4 高速で回転 (ω_3) するこまの章動と歳差運動
  17-4 なぜ、こまは倒れないか?
    17-4-1 有効ポテンシャルから考える
    17-4-2 新しい座標系
    17-4-3 保存量から考える
    17-4-4 向心力から考える
    17-4-5 空間の一様性

付 録

付録A 物理定数表

付録B ギリシア文字

付録C ベクトルと座標系
  C-1 ベクトル
    C-1-1 ベクトルの定義
    C-1-2 ベクトルの成分展開
    C-1-3 自由ベクトルと束縛ベクトル
    C-1-4 右手直交系
    C-1-5 ベクトルの発展史
  C-2 ベクトルと座標系
    C-2-1 直交座標系とベクトルの内積、外積
    C-2-2 2次元極座標系
    C-2-3 3次元極座標

付録D 微分と積分
  D-1 微分
    D-1-1 微分
    D-1-2 多項式の微分
    D-1-3 指数関数の微分
    D-1-4 対数関数の微分
    D-1-5 三角関数の微分
  D-2 積分
    D-2-1 積分
    D-2-2 定積分と不定積分
    D-2-3 積分と微分
    D-2-4 一般の公式
  D-3 力学と微積分
  D-4 ベクトル微分演算子
    D-4-1 ナブラ
    D-4-2 勾配

付録E 指数関数と対数関数と三角関数
  E-1 対数関数と指数関数
    E-1-1 対数の主要な公式
    E-1-2 オイラー数e
    E-1-3 対数の逆関数
    E-1-4 オイラー数再び
  E-2 三角関数と指数関数
    E-2-1 オイラーの公式

付録F 原子核の崩壊

付録G 等速円運動と観測する系
  G-1 慣性系からの観測
  G-2 回転系からの観測


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