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 想像力の哲学カント 未成熟な人間のための思想

カント 未成熟な人間のための思想 想像力の哲学

A5判 292ページ 上製
定価:4,500円+税
ISBN978-4-7664-2627-4 C3010
奥付の初版発行年月:2019年09月 / 発売日:2019年09月中旬

内容紹介

▼啓蒙されるべき未成熟な理性は、いかにして自らを啓蒙するのか?
▼カント哲学がはらむ〈啓蒙のジレンマ〉を〈想像力〉を読み解くことで解決しようとする意欲作。

本書の目的は、これまで看過されてきた想像力(Einbildungskraft)の理論をその全体像において示し、カントのテクストにそくして「啓蒙の循環」という問題に対する方策を提示することにある。中間的な存在者としての人間の、やはり中間的な能力としての想像力に照明をあてることによって、カントの批判哲学を本来のダイナミズムにおいて提示しようとする試みである。

『判断力批判』のきわめて難解な、しかし豊かな記述には、完全な理性的存在者の王国でもなければ、不完全な感性的存在者の結合でもない、その中間としての文化的共同体の可能性が潜在している。それは理性と感性だけでなく、想像力と感情をそなえた人間が歴史的に創造する人工物であり、啓蒙の拠点である。

著者プロフィール

永守 伸年(ナガモリ ノブトシ)

1984年生まれ。京都市立芸術大学美術学部講師。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は18世紀ヨーロッパ哲学のほか、信頼研究、障害学、現代倫理学など。著書に『モラルサイコロジー――心と行動から探る倫理学』(共著、春秋社、2016)、『信頼を考える――リヴァイアサンから人工知能まで』(共著、勁草書房、2018)、『メタ倫理学の最前線』(共著、勁草書房、2019)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論

 第Ⅰ部 想像力と理論理性
第1章 綜合とは何か――「世界」の秩序をつくる
 1・1 超越論的演繹の構造
 1・2 覚知と再生の綜合
 1・3 再認の綜合

第2章 想像力と自己意識――「わたし」の意識をつくる
 2・1 批判哲学における「わたし」
 2・2 綜合と自己意識
 2・3 「行為するわたし」へ

 第Ⅱ部 想像力と実践理性
第3章 自律の構想――実践哲学の目指すもの
 3・1 実践哲学の全体像
 3・2 『基礎づけ』の議論構造
 3・3 理念としての自律

第4章 想像力と歴史哲学――理性の発展を跡づける
 4・1 意思の自然素質
 4・2 非社交的社交性
 4・3 「実践的創造力」の可能性

 第Ⅲ部 想像力と『判断力批判』
第5章 美感的判断の構造――「想像力の自由」とは何か
 5・1 合目的性概念の問題圏
 5・2 反省と調和
 5・3 想像力の自由

第6章 想像力と感情――啓蒙の原動力を探る
 6・1 共通感覚の理念
 6・2 感情の伝達
 6・3 人間の能力としての想像力

結論 想像力の哲学
 

 謝辞
 参考文献
 注
 人名索引
 事項索引


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