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西南戦争と自由民権

西南戦争と自由民権

四六判 248ページ 上製
定価:3,200円+税
ISBN978-4-7664-2434-8 C3021
奥付の初版発行年月:2017年07月 / 発売日:2017年07月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

ペンか、剣か――。
明治初期における
反政府運動の模索と葛藤。

明治10年、鹿児島において、西郷隆盛を中心とした不平士族が反乱を起こす。このとき、もうひとつの反政府勢力の一大拠点・高知では、板垣退助率いる立志社が西郷に呼応して決起するのではないかと思われていた。西南戦争を契機に、日本はふたたび混乱に陥るのではないか――この可能性に、政府は動揺する。しかし、板垣は起たなかった。それはなぜだったのだろうか。

本書は、民権運動家たちの反政府の姿勢や挙兵計画にもかかわらず、開戦の報に触れてなお彼らが暴発せず、その後は言論活動へと転換した理由を実証的に明らかにし、暴力という手段の理論的位置付けを検証する。また、西郷・板垣をそれぞれ別の意味で高く評価した福沢諭吉の思惑と、彼の高知・立志学舎への支援や、これまで知られてこなかった鹿児島の民権運動家の戦前・戦後についても新たな光を当てる。

明治初期における反政府運動の思想と行動をたどり、西南戦争の知的インパクトと、自由民権運動が高揚していった背景を、歴史のなかに浮き彫りにする。

著者プロフィール

小川原 正道(オガワラ マサミチ)

慶應義塾大学法学部教授、博士(法学)。日本政治思想史専攻。
1976年生まれ。2003年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。
主要業績に、『日本の戦争と宗教 1899-1945』(講談社選書メチエ、2014年)、『明治の政治家と信仰―クリスチャン民権家の肖像―』(吉川弘文館、2013年)、『福沢諭吉の政治思想』(慶應義塾大学出版会、2012年)、『福沢諭吉―「官」との闘い―』(文藝春秋、2011年)、『近代日本の戦争と宗教』(講談社選書メチエ、2010年)、『西南戦争―西郷隆盛と日本最後の内戦―』(中公新書、2007年)、『評伝 岡部長職―明治を生きた最後の藩主―』(慶應義塾大学出版会、2006年)、『大教院の研究―明治初期宗教行政の展開と挫折―』(慶應義塾大学出版会、2004年)、などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 言論と武力の狭間で

第一章 明治六年政変後の「建白論」と「直接行動論」
――言論と武力の相剋――
 一、 はしがき
 二、 民選議院設立建白書と岩倉暗殺計画
 三、 大教院放火事件
 四、 むすび

第二章 戦時下の高知の民権家
――立志社挙兵計画から愛国社再興運動へ――
 一、 はしがき
 二、 西南戦争勃発と板垣・立志社
 三、 京都での活動
 四、 抵抗権思想
 五、 立志社の挙兵計画
 六、 島本仲道の運動
 七、 戦局の転換と立志社
 八、 その後の民権運動の展開と板垣逮捕説
 九、 むすび――反逆の思想――

第三章 戦時下の福沢諭吉の思想
――「自治」と「抵抗」をめぐって――
 一、 はしがき
 二、 「自治の精神」
 三、 「抵抗の精神」
 四、 「自治」と「抵抗」の狭間で
 五、 むすび――民会論から国会論へ――

第四章 鹿児島の反戦思想
――戦時下の民権家とその活動――
 一、 はしがき
 二、 田中直哉の思想と行動
 三、 柏田盛文の思想と行動
 四、 戦後の活動――田中直哉の場合――
 五、 むすび

第五章 旧私学校徒の民権運動
――戦後の鹿児島の民権家①――
 一、 はしがき
 二、 三州社の設立
 三、 三州社の活動
 四、 むすび

第六章 旧反戦派・柏田盛文の思想と行動
――戦後の鹿児島の民権家②――
 一、 はしがき
 二、 国会開設運動
 三、 自由党から九州改進党へ
 四、 県会議長、第四高等中学校長時代
 五、 衆議院議員選挙
 六、 教育行政
 七、 地方行政と教科書疑獄
 八、 むすび

補 章 戦時下の鹿児島県警察
――挙兵参画の論理と行動――
 一、 はしがき
 二、 戦争の開始と警部・巡査の参戦
 三、 第四課の活動
 四、 警部・巡査の廃止と東京警視出張所の設置
 五、 むすび――戦争参加者の処分――

終 章 二つの道


 参考文献一覧
 あとがき

 人名索引


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