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―昭和初頭の選挙運動に関する研究第一回普選と選挙ポスター

慶應義塾大学法学研究会叢書85
第一回普選と選挙ポスター ―昭和初頭の選挙運動に関する研究

A5判 424ページ 上製
価格:7,260円 (消費税:660円)
ISBN978-4-7664-2018-0 C3331
奥付の初版発行年月:2013年05月 / 発売日:2013年05月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

初の普選で新戦術として脚光を浴びた選挙ポスター。
政党や候補者はなにを訴え、
有権者はどう臨んだか?

希少な当時の選挙ポスターやビラ、立候補挨拶状や推薦状を紹介するとともに、
第一回普選で繰り広げられた選挙戦の実際と有権者の政治への参加意識を読み解く。
カラー口絵32頁。

▼普通選挙(以下普選)の実現を目指す普選運動に焦点が当てられがちな従来の研究に対し、本書は、選挙ポスターを読み解くことにより、第一回普選(昭和3年2月20日実施)で展開された選挙戦の実際を浮き彫りにする。

著者プロフィール

玉井 清(タマイ キヨシ)

慶應義塾大学法学部教授。法学博士。
1959年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。
主要業績に、『原敬と立憲政友会』(慶應義塾大学出版会、1999年)、『帝大新人会研究』(共著、慶應義塾大学法学研究会叢書、1997年)、『満州事変の衝撃』(共著、勁草書房、1996年)、『大麻唯男』(共著、財団法人櫻田会、1996年)、『戦時日本の国民意識―国策グラフ誌『写真週報』とその時代』(編著、慶應義塾大学出版会、2008年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
 
第一章 選挙ポスター導入過程
 序
 第一節 選挙法改正が選挙運動に与えた影響
 第二節 選挙ポスターの朝野における推奨
 第三節 選挙ポスターの氾濫
 結 語

第二章 選挙啓蒙運動と有権者の意識
 序
 第一節 普選初の府県議会選挙と低投票率
 第二節 選挙違反防止のための啓蒙活動
 第三節 棄権防止のための選挙啓蒙活動
  (1)内務省の方針
  (2)大阪府の啓蒙活動
  (3)東京市の啓蒙活動
  (4)その他の府県の啓蒙活動
  (5)民間の選挙啓蒙活動
 結 語

第三章 政党の選挙ポスター
 序
 第一節 既成政党の選挙ポスター
  (1)政友会のポスター
  (2)民政党のポスター
  (3)民政党の選挙ビラ
 第二節 無産政党の選挙ポスター
  (1)共通意匠のポスター
  (2)無産政党各派の選挙ポスター
 第三節 選挙ポスターへの取締り
 結 語

第四章 候補者の選挙ポスター
 序
 第一節 政見や政策の提示
 第二節 写真や似顔絵の利用
 第三節 新有権者の代弁者であることを示す標語や意匠
 第四節 昭和維新と忠君愛国
 第五節 選挙の啓蒙と知名度向上
 第六節 投票の懇請
 結 語

第五章 中選挙区制導入の影響について――東京選挙区を中心に
 序
 第一節 公認調整の難航と候補者の乱立
 第二節 東京一区の場合
  (1)選挙区制改正が不利に働いた事例
  (2)選挙区制改正が有利に働いた事例
  (3)同一政党候補者間における地盤調整
 第三節 東京二区の場合
 第四節 東京五区の場合
 第五節 東京六区の場合
  (1)民政党の事例
  (2)政友会の事例
 結 語

第六章 政治啓蒙活動の新展開と行財政改革の提言――実業同志会と武藤
    山治

 序
 第一節 前哨戦としての補欠再選挙
 第二節 候補者選考の苦悩
 第三節 既成政党批判と行財政改革案
 第四節 演劇と映画を活用した政治啓蒙と選挙運動
 第五節 選挙結果と敗因の分析
 結 語

第七章 政党の離合集散の影響について――革新倶楽部の政友会合流を中
    心に

 序
 第一節 革新倶楽部の政友会への合流
 第二節 政友会合流組候補の選挙戦
 第三節 革新党候補の選挙戦
 第四節 中立候補の選挙戦
 結 語

おわりに

主要参考文献
あとがき
図表一覧
人名索引・事項索引


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