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 東日本大震災が家計に与えた影響 日本の家計行動のダイナミズム[VIII]

日本の家計行動のダイナミズム[VIII] 東日本大震災が家計に与えた影響

瀬古 美喜:編著, 照山 博司:編著, 山本 勲:編著, 樋口 美雄:編著
B5変 424ページ 並製
定価:4,200円+税
ISBN978-4-7664-1946-7 C3333
奥付の初版発行年月:2012年06月 / 発売日:2012年06月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

震災前後の家計行動の変化を詳細に把握する。

▼大規模なパネルデータを用いて人々の意識と暮らしの変化を追跡・分析する「慶應義塾家計パネル調査」(KHPS:Keio Household Panel Survey)を使用した家計パネル調査研究8年目の成果を発信。
▼KHPSでは、2011年3月の東日本大震災による、家計への影響を調査するために、震災後の心理状況や家計行動を追跡調査する「東日本大震災に関する特別調査」を6月と10月に実施し、これにより震災前後の変化を詳細に捉えることができた。本書は、震災が就業行動に及ぼした影響、不安が買い物行動に与える影響、地震保険と震災後の家計消費などの実証分析に加え、震災がもたらした精神的コストや幸福感への影響など、震災に関する10章と、KHPSを活用した研究をまとめた1章を収録している。復興や防災に向けた施策の立案や学術的発展に資する一冊。

著者プロフィール

瀬古 美喜(セコ ミキ)

慶應義塾大学経済学部教授。

照山 博司(テルヤマ ヒロシ)

京都大学経済研究所教授。

山本 勲(ヤマモト イサム)

慶應義塾大学商学部准教授。

樋口 美雄(ヒグチ ヨシオ)

慶應義塾大学商学部教授。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章 本書の目的と概要  
  瀬古美喜/照山博司/山本勲/樋口美雄
  第1節 本書の目的  
  第2節 本書の概要  

第I部 KHPSの標本特性
第1章 景気回復基調下における家計行動と震災による家計行動への影響
    ――KHPS2011調査、「東日本大震災に関する特別調査」から  
坂本和靖/石野卓也/萩原里紗/曺成虎/小林徹/何芳
  第1節 はじめに  
  第2節 2011年調査の概要と回答状況  
  第3節 景気変動と家計行動-2011年調査結果から  
   1 生活と就業  
   2 学びの活動  
   3 生活習慣と健康状態  
   4 資産・負債  
   5 世帯収入と消費支出  
   6 住宅  
  第4節 震災前後の家計行動
      ――2011年「東日本大震災に関する特別調査」結果から  
   1 調査の概要と回答状況  
   2 被害状況  
   3 仕事の変化  
   4 買い物行動  
   5 健康、心身症状  
   6 資産・住宅  
   7 価値観の変化  
   8 ボランティア・募金活動  
   9 政策に対する考え方  
  第5節 おわりに  

第II部 震災と家計の就労・消費行動(査読論文)
第2章 東日本大震災が就業行動へ及ぼした影響  
小林徹/佐藤一磨
  第1節 問題意識  
  第2節 先行研究  
   1 経済学ミクロデータ分析による自然災害の就業者への影響  
   2 経済学分野以外での自然災害の就業者への影響分析  
   3 健康の就業行動への影響  
  第3節 分析に使用するデータと推計手法  
   1 データ  
   2 推計手法――震災による就業行動の変化  
   3 推計手法――震災による健康悪化を通じた就業行動の変化  
  第4節 分析結果  
   1 クロス集計結果  
   2 推計結果――震災による就業行動の変化  
   3 推計結果――震災の健康被害を通じた就業行動変化  
  第5節 結論  

第3章 東日本大震災後の就業回復についての考察  
何芳
  第1節 はじめに  
  第2節 先行研究  
  第3節 データおよび予備的観察  
  第4節 実証分析  
   1 就業状態の回復  
   2 労働所得と労働時間の回復  
  第5節 おわりに  

第4章 不安が家計の買い物行動に与える影響
     ――東日本大震災で起きた買い溜め・買い控えの考察  
萩原里紗
  第1節 はじめに  
  第2節 データ  
   1 恐怖心や不安  
   2 不安の解消方法  
   3 震災前後に支出・購入を増やしたもの・減らしたもの  
  第3節 推定方法  
  第4節 推定結果  
   1 買い溜めの決定要因  
   2 買い控えの決定要因  
  第5節 むすび  

第5章 地震保険加入と震災後の家計消費の変化
     ――消費保険仮説の再検証  
馬欣欣
  第1節 はじめに  
  第2節 先行研究のサーベイおよび本章の特徴  
  第3節 データから観察された震災後の家計所得変動と家計消費変動  
   1 震災前後の家計所得変動と家計消費変動  
   2 震災地域と非震災地域別にみた家計所得変動と家計消費変動  
   3 震災前の地震保険加入・未加入別にみた家計消費変動  
   4 震災前の地震保険加入・未加入別にみた家計所得変動  
  第4節 計量分析の枠組み  
   1 計量分析の方法  
   2 用いたデータおよび変数の設定の説明  
  第5節 計量分析の結果  
   1 消費保険仮説の検証結果  
   2 家計所得感応度に関する分析結果  
  第6節 まとめ  

第6章 日本における家計内の時間配分
     ――東日本大震災後に変化があったのか  
曺成虎
  第1節 はじめに  
  第2節 先行研究  
  第3節 データおよび変数  
  第4節 計量モデル  
  第5節 分析結果  
  第6節 まとめ  

第III部 日本社会の価値観の変容(招待論文)
第7章 震災ボランティア活動参加の決定メカニズム  
山本勲/坂本和靖
  第1節 はじめに  
  第2節 ボランティア活動に関する経済学研究  
   1 消費モデル  
   2 投資モデル  
   3 日本における実証研究  
  第3節 データでみる震災ボランティア活動  
   1 震災前の生活時間とボランティア活動  
   2 震災後の生活時間の変化  
   3 震災ボランティア参加者の特徴  
  第4節 ボランティア活動参加の決定要因  
  第5節 おわりに  

第8章 東日本大震災がもたらした精神的コスト
     ――パネルデータを用いた自然災害の幸福度・健康感への影響の検討  
北村行伸/平井滋
  第1節 はじめに  
  第2節 先行研究  
   1 幸福度と健康感の構造的決定要因  
   2 個人的出来事や社会的ショックの影響  
  第3節 データ
   1 慶應義塾家計パネル調査(KHPS)と震災特別調査  
   2 分析サンプルの基本統計量とその特性  
  第4節 推計手法  
   1 基本推定  
   2 差の差の推定法(DID推定)による推定  
  第5節 結果  
   1 幸福度と主観的健康感への影響(基本推計)  
   2 差の差の推定による結果  
   3 属性による影響の違い  
  第6節 考察  
  第7節 まとめ  

第9章 東日本大震災の幸福感への影響  
石野卓也/大垣昌夫/亀坂安紀子/村井俊哉
  第1節 はじめに  
  第2節 データ  
  第3節 分析と結果  
  第4節 おわりに  

第10章 東日本大震災と家計の地震保険加入行動  
石野卓也/直井道生/瀬古美喜
  第1節 はじめに  
  第2節 日本の地震保険  
  第3節 データ  
  第4節 推定  
  第5節 結論  

第11章 最低賃金引上げの経済効果――パネルデータによる分析  
樋口美雄/佐藤一磨/小林徹
  第1節 はじめに  
  第2節 最低賃金制度の変化(大きな制度変更と生活保護との関係)  
  第3節 先行研究と本稿の位置づけ  
   1 最低賃金の市場賃金引上げ、賃金格差縮小への効果  
   2 最低賃金の雇用喪失効果  
   3 本分析の意義  
  第4節 本分析の用いたデータと推計方法  
   1 最低賃金の改定は、市場賃金にどのような影響を及ぼしたのか  
   2 最低賃金の改定は、どの賃金階層に影響を及ぼしたのか  
   3 最低賃金の改定は、雇用喪失を引き起こしたのか  
   4 最低賃金の改定は、労働時間にどのような影響を及ぼしたのか  
  第5節 推計結果  
   1 最低賃金の改定は、市場賃金にどのような影響を及ぼしたのか  
   2 最低賃金の改定は、どの賃金階層に影響を及ぼしたのか  
   3 最低賃金の改定は、雇用喪失を引き起こしたのか  
   4 最低賃金の改定は、労働時間にどのような影響を及ぼしたのか  
  第6節 政策含意と今後への課題  

付録
   1 調査票  
   2 調査票(東日本大震災に関する特別調査[KHPS対象者用])  
   3 調査票(東日本大震災に関する特別調査[JHPS対象者用])  


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