大学出版部協会

 

19世紀 1815年〜1901年

オックスフォード ブリテン諸島の歴史第9巻
19世紀 1815年〜1901年

A5判 504ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-1649-7 C3322
奥付の初版発行年月:2009年06月

内容紹介

連合王国と女王ヴィクトリアの世紀

19世紀、世界的覇権を誇るイギリス帝国最盛期。
本書第9巻では、イギリス帝国の経験と複雑さについて、学際的なアプローチからの記述を試みる。
ナポレオン戦争終結の1815年から、女王ヴィクトリアが死去する1901年を対象に、世界初の工業国家として急速な経済発展と近代化を経験する連合王国諸地域の複雑に重なりあった政治・経済、社会生活・公領域の変容、宗教と知、科学の相互作用、ヴィクトリア朝の芸術、建築、都市といった多元的なテーマを細密に描く、ヴィクトリア朝ならびにイギリス帝国史。




[監修者]
コリン・マシュー(Colin Matthew)
オックスフォード大学近代史学教授。1999年逝去。
主要業績 Gladstone 1809-1898 (Oxford, 1997); The Gladstone Diaries (ed., 14 vols., Oxford, 1968-1994); The Oxford Dictionary of National Biography (founding editor, Oxford, 2006).

[著者]
マーティン・ドーントン(Martin Daunton)
ケンブリッジ大学トリニティ・ホール学寮長
主要業績 Progress and Poverty: An Economic and Social History of Britain 1700-1850 (Oxford, 1995); Just Taxes: The Politics of Taxation in Britain, 1914-1979 (Cambridge, 2002); Trusting Leviathan: The Politics of Taxation in Britain, 1799-1914 (Cambridge, 2007).

アンドリュー・ポーター(Andrew Porter)
ロンドン大学キングズ・カレッジ帝国史講座教授
主要業績 The Oxford History of the British Empire, Vol. III : The Nineteenth Century (Oxford, 1999); Religion versus Empire ? British Protestant missionaries and overseas expansion 1700-1914 (Manchester, 2004).

ジャネット・ハワース(Janet Howarth)
オックスフォード大学セント・ヒルダズ・カレッジ・フェロー
主要業績 Women in Britain since 1914 : A Documentary History (London, forthcoming); ‘The Church of England and women's higher education’ in P.Gosh

目次

 日本語版に寄せて(ポール・ラングフォード)
 監修者序文(ポール・ラングフォード)
 日本語版監修者序文(鶴島博和)
 凡例
 図版一覧

序 論 連合王国とヴィクトリアの世紀 一八一五〜一九〇一年   コリン・マシュー
世界史におけるイギリスの時代——進歩と警告
「最初の」工業国家——労働と規律
商品と所有
一八五一年——均衡(バランス)の達成
自由貿易・文明・協調
英国国教会・教区・福祉
帝都ロンドン?
連合王国——統一性と多様性
連合王国をめぐるさまざまな見解——政治と歴史
統一されざる民族主義と歴史の利用
気候
写真
政治的な叙述
人種とヴィクトリア時代の人々
自由な運動と自由な討論
帝国・スポーツ・中産階級の教育
労働者階級と「生活の改良」
大学教育
通史としての一九世紀

第一章 社会と経済活動   マーティン・ドーントン
「定常状態の国家」——一九世紀前半における成長の限界
経済政策の再構築
足枷からの解放——一九世紀後半における成長
消費と娯楽
環境汚染と死
結婚・性・出生
貧困と福祉
産業経済の特質
イギリスの経済的パフォーマンスに関する論争

第二章 公共生活と政治      コリン・マシュー
鉄道と国民共同社会
スポーツと国民生活
改革と政治的統合——選挙権と政治的共同体 一八一五〜一九〇一年
国民統合の限界——急進派・労働者・アイルランド人・女性たち
連合王国と国民
「演説家たちの国」(一八七三年一〇月二三日付『タイムズ』より)
政党イデオロギー・伝統・政府——トーリとホイッグ 一八一五〜五二年
ピール派・ホイッグ・自由党・保守党 一八五二〜七四年
保守党・自由党・自由統一党 一八七四〜一九〇一年
後期ヴィクトリア時代の政治
君主制と王様たち
内閣と官僚制
政府支出・福祉・課税
「より人に親切な国民」?

第三章 帝国と世界    アンドリュー・ポーター
拡張のパターン
帝国支配のさまざまな様式
帝国とイギリス文化の普及・拡散
イギリスの立場に対する外国勢力からの挑戦
イギリスの立場の防衛

第四章 ジェンダー、家庭重視(ドメスティシティ)、性の政治学      ジャネット・ハワース
ヴィクトリア時代の家庭イデオロギーの起源
 マルサス主義と性道徳
男女領域分離論と家庭生活
男性が一家の中心的稼ぎ手である家族と女性の雇用
ジェンダーと政治
女性問題と女性運動の起源
家族法
教育
売春
女性参政権
家父長制の再主張?——生物学と帝国
男性性(マスキュリニティ)と後期ヴィクトリア時代における性の政治学

第五章 信仰生活と知的生活  ジェイン・ガーネット
解釈的のアプローチ
信仰の文脈と知性の文脈
  思考する国民  宗教団体  教育
信仰的パラダイムと知的パラダイム
  理性と信仰  懐疑と仮説  過去、現在、そして未来

第六章 文学、音楽、劇場    ケイト・フリント
文学——文脈、物語、アイデンティティの諸問題
ウェールズ、スコットランド、アイルランドの書物
 劇場——メロドラマとモダニズム
音楽と国民性
主観性、多様性、世紀末

第七章 都市、建築、芸術  アンドリュー・セイント
都市
建築  都市部の住宅供給  公園  古典主義  ゴシック復興(リヴァイヴァル)   イングリッシュ・ハウス  建築工学の遺産
芸術  絵画  歴史画  近代生活を描く画家たち  後期ヴィクトリア時代の絵画  芸術支援と博物館/美術館  彫刻  応用美術

結 論 世紀末の世界   コリン・マシュー

訳註
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