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 歴史・思想・教義シーア派の自画像

シーア派の自画像 歴史・思想・教義

A5判 334ページ 上製
定価:3,800円+税
ISBN978-4-7664-1336-6 C3014
奥付の初版発行年月:2007年03月

内容紹介

イスラーム・シーア派の歴史・思想を概説。

▼イスラーム二大宗派の一つであるシーア派を、歴史・思考方法・教義の3つの側面から総合的に叙述する入門書&概説書。本書はシーア派の第一級の宗教学者によって執筆されたものであり、「シーア派によるシーア派入門」ともいえるもの。イランでは神学校教科書として読まれている。ただし、訳者による丁寧な解説により、日本の読者にはより客観的な理解が得られるようにした。
▼著者タバータバーイーは、フランスのコルバンや日本の井筒俊彦など、非ムスリムの研究者とも交流をもつなど国際的に活躍した聖職者。本書は英語、フランス語、ドイツ語をはじめとする各国語に翻訳されるなど、国際的な評価がきわめて高い。(原著は1975年刊。)


[著者]
セイイェド・モハンマド = ホセイン・タバータバーイー
十二イマーム派シーア派の著名な哲学者、クルアーン註釈学者。
1904〜1981年。生地タブリーズ(イラン)、ついでナジャフ(イラク)の神学校コンプレックスで学ぶ。1935-6年からタブリーズで教育活動に従事。1945年、ゴム(イラン)に移住。以後、同地を中心にイスラーム神秘主義哲学を主とした研究・教授活動に従事。著書は大部のクルアーン註釈『秤』など多数。

[訳者]
森本一夫(もりもと かずお)
東京大学東洋文化研究所助教授
1970年生。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程ならびにテヘラン大学人文学部大学院博士課程中退。博士(文学)。東京大学東洋文化研究所助手、北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、2004年より現職。専攻はイスラーム宗教社会史。

目次

訳者序(森本一夫)
凡例

序言(セイイェド・ホセイン・ナスル)
  シーア派研究
  シーア派の根本要素
  シーア派研究の現状
  本書について
  著者について

本論(セイイェド・モハンマド = ホセイン・タバータバーイー)
 はじめに
 第一部 シーア派の歴史的背景
  第一章 シーア派の生成と発展
   シーア派のいできたり
   少数派シーア派が多数派スンナ派から分離した理由と、両者の間での食い違いの現れ
   後継者位と宗教的知識に関するマルジャウ位という二つの問題
   選挙によるカリフ制という方法と、そのシーア派の見解との矛盾
   カリフ位が最終的に信徒の長アリー(彼に平安あれ)にいたったこと、およびカリフとしての彼の方の行い
   アリー(彼に平安あれ)の5年間のカリフ在位がシーア派にもたらしたもの
   カリフ位がムアーウィヤに移り世襲の王権と化したこと
   シーア派にとっての暗黒時代
   ウマイヤ家の王権の確立
   ヒジュラ暦2世紀[719-816年]のシーア派
   ヒジュラ暦3世紀[816-913年]のシーア派
   ヒジュラ暦4世紀[913-1010年]のシーア派
   ヒジュラ暦5世紀から9世紀[1010-1495年]のシーア派
   ヒジュラ暦10世紀から11世紀[1495-1689年]のシーア派
   ヒジュラ暦12世紀から14世紀[1689-1980年]のシーア派

  第二章 シーア派の分枝
   「分枝」について
   ザイド派シーア派
   イスマーイール派シーア派とその分枝
   ニザール派、ムスタアリー派、ドゥルーズ派、ムカンナア派
   十二イマーム派シーア派とザイド派およびイスマーイール派との相違点
   十二イマーム派の歴史のまとめ

 第二部 シーア派における宗教的思考
  第三章 宗教的思考における三つの方法
   「宗教的思考」の意味
   イスラームにおける宗教的思考の根本的典拠
   聖クルアーンが宗教的思考のために示す方法は三つある
   三つの方法の間の相違点
   第一の道 信仰の外面的側面
    宗教の外面的側面とその構成要素/教友たちが伝えたハディース/
    啓典と慣行/クルアーンの外面と内面/クルアーンのタアウィール/
    ハディースをめぐる議論への補論/シーア派におけるハディースの内容の実践方法/
    教え学ぶこと/シーア派と伝承の諸学
   第二の道 理性的議論
    哲学と神学の領域における理性的思考/
    イスラームにおける哲学的・神学的思考の領域でのシーア派の先行性/
    哲学とその他の理性の諸学におけるシーア派の不断の努力/
    なぜ哲学はシーア派の中に残ったのか/シーア派の学問的な天才たち
   第三の道 開示
    人間と神秘的理解/イスラームにおける神秘主義のはじまり
    神秘的な方法で自己を知ることと、その筋道に関する天啓の書と慣行の導き

 第三部 十二イマーム派から見たイスラームの教義
  第四章 神
   神の存在が必須であることについて(その一) 存在世界と現実性
   神の存在が必須であることについて(その二) 人間と世界との関係
   神の本質と属性
   神の属性の意味
   属性の意味についてのさらなる説明
   行為の属性
   予定と定命
   人間と自由意志

  第五章 預言者
   目標に向かって 一般的な導き
   特殊な導き
   知性と法
   啓示と呼ばれる謎の意識
   預言者たち 預言者の無謬性
   預言者たちと天啓の宗教
   預言者たちと啓示および預言の証
   神の預言者たちの数
   不屈の決意の持ち主にしてシャリーアの主たる預言者たち
   ムハンマド(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)の預言者位
   聖預言者(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)とクルアーン
  
  第六章 来世
   人間は魂と肉体からなる
   魂の実在性についての別の視点からの議論
   死についてのイスラームの見解
   バルザフ
   復活と最後の審判
   別様な説明
   創造の継続と連続

  第七章 イマーム
   「イマーム」の意味
   イマーム位、聖預言者(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)の後継者位、そしてイスラーム的統治
   先述の主張の確証
   イマーム位と神的知識の明示
   預言者とイマームの違い
   イマーム位と様々な行いの内面
   イスラームのイマームたち
   12名のイマームたち(彼らに平安あれ)の簡単な伝記
   マフディー(彼に平安あれ)の顕現について

  おわりに シーア派の霊的メッセージ


 付論
  付論一 タキーヤあるいは信仰隠し(タバータバーイー)
  付論二 ムトアあるいは一時婚(タバータバーイー、セイイェド・ホセイン・ナスル)
  付論三 シーア派における諸儀礼(セイイェド・ホセイン・ナスル)
  付論四 ジンについての覚え書き(セイイェド・ホセイン・ナスル)

 原註
 訳註
 英訳本における相違点
 引用文献略号一覧
 訳者解説
 系図
 索引


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