大学出版部協会

 

「吉田路線」をめぐる政治・外交・軍事戦後日本の防衛政策

戦後日本の防衛政策 「吉田路線」をめぐる政治・外交・軍事

A5判 336ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-7664-1215-4(4-7664-1215-X) C3031
奥付の初版発行年月:2006年02月

内容紹介

戦後防衛政策の原型はいかにして形作られ、定着したのか——。アメリカは日本に何を求めたのか——。日米の膨大な資料を基に、いま、解き明かす。
戦後史に切り込む本格的実証研究。


中島信吾(なかじま しんご)
防衛庁防衛研究所戦史部教官。専門は日本政治外交史、国際関係史。1971年神奈川県生まれ。1994年早稲田大学教育学部卒業、2002年慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了、博士(法学)。同年より現職。
主要著作に『年報政治学2004 オーラル・ヒストリー』(共著、岩波書店、2005年)、『池田・佐藤政権期の日本外交』(共著、ミネルヴァ書房、2004年)、『岸信介政権と高度成長』(共著、東洋経済新報社、2003年)他論文多数。

目次

序 章 戦後日本の防衛政策
一 戦後日本の防衛政策
二 「吉田茂」論争
三 問題の所在と各章の課題

第 Ⅰ 部 戦後日本型政軍関係の形成

第一章 防衛庁中央機構における「文官優位」の形成過程
一 「文民統制」と「文官優位」
二 警察予備隊の創設と旧内務官僚
三 保安庁への継承と旧軍人入隊問題
四 防衛庁の発足と「文官優位」体制
五 なぜ「文官優位」が定着したのか

第二章 国防会議の設置をめぐる政治力学
       ——保守政党政治と旧軍人
一 政党人と旧軍人
二 反吉田政権の樹立と国防会議の設置——「民間議員」登用問題
三 戦後保守政党政治と旧軍人

第三章 戦後日本型政軍関係と防衛力整備
一 赤城構想の策定過程と海上自衛隊
二 赤城構想の発表から修正へ
三 国防会議上の攻防
四 戦後日本型政軍関係と防衛力整備


第 Ⅱ 部 高度成長期の防衛政策

第四章 「吉田路線」の設定と展開
一 「吉田路線」と「吉田茂」
二 「積極的再軍備」論の系譜——鳩山一郎と芦田均
三 鳩山・岸内閣の防衛政策
四 「吉田路線」の継承

第五章 アイゼンハワー政権の東アジア戦略と日本(1955-1960)
       ——日本をめぐるディレンマと調和点の模索
一 対日政策の変更と継続
二 「親米日本」の確立を目指して
三 東アジア冷戦における中国要因と日本——「経済成長モデル」としての中国
四 「独立日本」の位置づけ——二つの「貢献」
五 日本をめぐるディレンマと調和点の模索

第六章 もう一つの「吉田路線」
       ——戦後防衛力整備の枠組み
一 戦後防衛力整備の枠組み
二 防衛力整備の枠組みとアメリカの対日政策
三 第一次防衛力整備計画の策定
四 もう一つの「吉田路線」

第七章 池田・ケネディ時代の日米関係と日本の防衛政策
一 日米両国の政権交代
二 消された議題——池田・ケネディ会談と防衛問題
三 対日防衛力増強要求の再開と日米協議
四 所与としての「特殊性」へ
五 「吉田ドクトリン」へ——「同盟」と「パートナーシップ」のはざまで

第八章 防衛力整備における振幅と収斂
       ——赤城構想から二次防へ
一 防衛力整備をめぐる振幅——対米協力から対米依存へ
二 自衛隊の勢力構成と日米関係——装備近代化への収斂
三 防衛力整備の振幅と収斂

第九章 「同盟国日本」像の転換
       ——ジョンソン政権の対日政策
一 「日本の将来」
二 日本の核武装問題——佐藤政権の登場
三 残されていた課題——自衛隊の位置づけ
四 核兵器不拡散条約と日本
五 地域的安全保障と日本の役割
六 「同盟国日本」像の転換

終 章 「吉田路線」をめぐる政治・外交・軍事
一 戦後日本型政軍関係の形成
二 高度成長期の防衛政策

あとがき


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。