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アントレプレナーシップとシティズンシップ

キャリアデザイン選書
アントレプレナーシップとシティズンシップ

A5判 242ページ 並製
価格:2,860円 (消費税:260円)
ISBN978-4-588-68005-2 C1337
奥付の初版発行年月:2012年07月 / 発売日:2012年07月下旬

内容紹介

革新的でわくわくするような経済社会の構築や持続可能な地域社会づくりには、異なる発想をもつ柔軟な頭脳と行動原理が必要とされる。本書は、個が自立/自律するためのフレンドシップ、経済空間を合理的かつ革新的に生きるためのアントレプレナーシップ、そして生活空間を豊かに幸せに生きるためのシティズンシップという行動原理を、筆者の経験をもとにわかりやすく提示する。

著者プロフィール

小門 裕幸(コカド ヒロユキ)

大阪府生まれ。京都大学経済学部卒、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)に入行。国際金融をはじめ、経済調査、企業分析・融資業務や、まちづくり・地域振興、ベンチャー企業の支援にかかわる仕事などさまざまな業務に携わる。現在、法政大学キャリアデザイン学部教授。専門はベンチャー企業論,地域経営論など。
主な著書に、『エンジェル・ネットワーク』(中央公論社、1996年)、『キャリアデザインという自己変革・社会変革』(泉文堂、2012年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第Ⅰ部 新しい行動原理への挑戦

第1章 新しい行動原理としてのフレンドシップ

1 ギリシア哲学におけるフレンドシップ

2 アメリカにみるフレンドシップ

3 われわれがめざしたい行動原理であるフレンドシップ

第2章 新しい行動原理としてのアントレプレナーシップ

1 アントレプレナーシップを理解するために
1.1 起業という営為
1.2 起業と仲間・集団・組織──仲間をつくるということ
1.3 起業とライフコース
1.4 起業と整備される起業環境
1.5 起業と雇用構造の変化
1.6 起業と女性
1.7 起業と地域経済

2 アントレプレナーシップを発揮する企業、ベンチャー企業
2.1 起業家/企業家(Entrepreneur)とは
2.2 ベンチャー企業の定義
2.3 ベンチャー企業の発展プロセス
2.4 資本政策とベンチャー企業の出口
2.5 ベンチャーファイナンス
2.6 ベンチャー企業の受け皿としての株式会社とそのチーム
2.7 知的財産
2.8 ビジネスプラン

3 アントレプレナーシップの地平
3.1 起業家支援システムとしてのアメリカ型ベンチャー企業統治
3.2 アントレプレナーシップと企業/法人
3.3 アントレプレナーシップと経済システム
3.4 アントレプレナーシップと日本人

4 アントレプレナーシップとイノベーション
4.1 イノベーションとは
4.2 創造的破壊
4.3 ドラッカーとイノベーション──七つの機会とは
4.4 イノベーションジレンマと大企業の陥穽
4.5 イノベーションと産業構造・産業組織
4.6 日本の製造業の成功体験とその後のデジタル革命
4.7 モジュール化と新しいイノベーションの形としての「疎結合」──「個の自律と組織の自律」という喫緊の課題
4.8 個・組織とイノベーション──デザイン思考をもつために

第3章 新しい行動原理としてのシティズンシップ

1 シティズンシップを自覚するために
1.1 われわれの住んでいる地域コミュニティを相対化してみよう
1.2 生活空間にいる人を相対化してみよう。
1.3 時代を相対化してみよう
1.4 他者との関係性
1.5 秩序を求めて
1.6 地域とは何か、国とは何か
1.7 シティズンシップと日本の地方制度

2 シティズンシップの地平
2.1 シティズンシップの系譜
2.2 シティズンシップを発揮する生活空間の考え方
2.3 シティズンシップと自由
2.4 シティズンシップ教育
2.5 日本人と公・公共
2.6 アメリカの地域コミュニティの風景と地域のガバナンス
2.7 シティズンシップとソーシャルキャピタル

第Ⅱ部 理想とする社会を求めて

第4章 キャリアの先進国アメリカ人のめざすまち・めざす社会

1 アメリカのまちづくりの思想──エッジシティからサステイナブル・コミュニティへ

2 アメリカ人がめざす社会、そしてEU
2.1 社会学者ベラーたちの描く未来
2.2 新しい社会づくりに向けた地域市民の実践
2.3 そしてEU

第5章 日本はこれからどうすればよいのか

1 近代に翻弄される前の江戸というサステイナブル社会

2 現代の日本が認知する日本の未来像
2.1 『「21世紀日本の構想」懇談会報告書』
2.2 「司法制度改革審議会意見書」
2.3 新教育基本法

3 近代という枠を越えようとする3 人の経済学者の考え方
3.1 定常型社会
3.2 成長呪縛からの解放と地域主義
3.3 Small is beautiful.

4 究極の行動原理としてのスチュワードシップ

Case Study 市民起業家についての考察Ⅰ
 地域蘇生のために彼らは何をしたのか

Case Study 市民起業家についての考察Ⅱ
 NPOを組成して彼らはどのようにプロジェクトを遂行したのか

関連書

児美川孝一郎著『若者とアイデンティティ』、八幡成美著『職業とキャリア』


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