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 近代的人間像の現在と未来<人間>の系譜学

<人間>の系譜学 近代的人間像の現在と未来

田上 孝一:編著, 黒木 朋興:編著, 助川 幸逸郎:編著
A5判 306ページ
定価:2,600円+税
ISBN978-4-486-01800-1 C1010
奥付の初版発行年月:2008年11月

内容紹介

現代の日本社会は、従来の価値観を根源から問い直さなければならない時期に来ている。本書は、近代社会に作られた人間のあり方を近代西洋思想と近代日本文学から検討し、読者一人ひとりにとっての新たな「生き方の指針」となることを目的とする。


目次

第一章 デカルト――中世的人間観の超克
はじめに
第一節 「コトギ説」にまつわる誤解
第二節 霊魂(anima)の三分説
第三節 「私」の二重性
第四節 懐疑主義と神秘主義の狭間
むすび

第二章 スピノザ――人間の「擬人的」理解への批判
はじめに
第一節 科学革命期の世界観の変動
第二節 スピノザにおける神の擬人的理解の批判
第三節 スピノザにおける神と自然の擬人的理解の発生論――人間の自己理解
第四節 「スカイフック」なき人間観

第三章 ヘーゲルの人間観――自由であるということは?
はじめに
第一節 ヘーゲルの自由観――フィヒテとの対比
第二節 欲望と承認――私が私であること
第三節 「主人と奴隷の弁証法」をめぐる二つの解釈――ボーヴォワールとバトラー
第四節 ヘーゲルの「良心」論
第五節 ヘーゲルと現代の承認論8
まとめ

第四章 ニーチェ哲学における主体の存続の可能性
はじめに
第一節 『善悪の彼岸』一二節の概要
第二節 霊魂原子論の抱える矛盾
第三節 弱者の主体性を可能にするもの
結論

第五章 マルクスの人間観――「全体的存在」としての人間
はじめに――なぜ今マルクスを読むのか
第一節 部分化された人間への批判――晩年のエピソードから5
第二節 部分化されない人間
第三節 人間の全体性を実現する社会
おわりにかえて――今後の課題

第六章 エミール・ゾラ――変動する社会における《人間》
はじめに
第一節 デパートと万国博覧会
第二節 エミール・ゾラの小説『ボヌール・デ・ダム百貨店』
第三節 変動する社会のなかの《人間》
第四節 ドレヒュス事件
第五節 「知識人」としてのゾラ
第六節 現代につながる問題意識

第七章 「トレンディ作家」としての田山花袋
はじめに
第一節 「花袋=ダメオヤジ」という「神話」
第二節 時雄――〈時=今〉を求める男
第三節 「キリスト教」という盲点
第四節 時雄をなぞる花袋
第五節 『蒲団』冤罪事件
第六節 「トレンディ作家」のその後

第八章 サン=テクジュペリからサルトル/カミュ論争へ――行き詰まった人間主義
はじめに
第一節 サン=テクジュペリの「人間」
第二節 サルトルの戦後
第三節 サルトル/カミュ論争
第四節 カミュの返答
第五節 カミュの死
終わりに

第九章 三島由紀夫の人間観
はじめに
第一節 伝統との断絶
第二節 文体と虚構性
第三節 メディア戦略と「私でない私」への願望
第四節 自分の人生を解釈するということ
第五節 三島由紀夫が見誤ったもの
おわりに

第十章 アラン・ロブ=グリエ――人間と世界の新しい関係へむけての試み
はじめに
第一節 伝統的な小説
第二節 「伝統的な人間像」から「新しい人間像」へ
第三節 「伝統的な物語」から「新しい物語」へ
第四節 人間と世界との関係
第五節 社会・政治的文脈
第六節 「新しい小説」から「新しい人間」へ

第十一章 安野モヨコ作品の人間像――高度消費社会における「ラブ」
はじめに――安野作品の現代的な意味
第一節 『ハッピー・マニア』の衝撃
第二節 『ラブ・マスターX』――恋愛(ラブ)の虚妄性の諸相
第三節 自己実現の美しい隘路――『ジェリービーンズ』
第四節 展開する安野作品


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