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[2011年2月22日公開]

数の泉 数の成り立ちから実数論へ (九州大学出版会刊)

加藤 久子

定価●1,600円+税

ISBN978-4-7985-0034-8 C1041

A5判 / 82ページ / 並製

奥付の発行年月●2010年12月

発売日●2010年11月下旬

 数学(算数)ができなくても、社会生活に支障はない。学生のころ、ややこしい数式を前にそんな悪態をついたことがある人は少なくないかと思います。しかしながら、実際には日常生活のいろんな場面で数学(算数)は必要になります。買い物をするにも、料理をするにも、薬を飲むにも。
 著者は大学生や社会人の数学離れを嘆いてこの本を著しました。割り算のできない大人に「割り算のやり方」を教えるのではなく、そもそも割り算をする、ということはどういう意味を持つのかからひもとき、覚えさせるのではなく、理解させる。公式を丸暗記させるのではなく、こうやってそもそもの原理を教えてくれる教師がいたならば、ここまで数学離れは進まなかったかもしれないと思わざるを得ません。
 自然数とは何か、有理数とは、無理数とは、そして零とは何を表すのか。あらゆる「数」をひとつひとつ並べてゆくことで現れるものは、ひとつの直線です。その直線の上には、1点の隙間もなく、実数が並んでいます。著者は、数直線を「あなたの立っている点を0として北極星を通過する直線」として想定しています。自分と宇宙が数で繋がれているような、どこかロマンチックな感覚です。
 数学(算数)ができなくても、社会生活に支障はないけれど、数学的な視点を持って眺める世界は、ちょっとおもしろい。そう思わせてくれる1冊です。

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