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[2012年3月30日公開]

海と共にある歴史 イエメン海上交流史の研究 (中央大学出版部刊)

栗山 保之

定価●3,800円+税

ISBN978-4-8057-4149-8 C3022

A5判 / 384ページ / 上製

奥付の発行年月●2012年02月

発売日●2012年02月中旬

 アラビア半島の南西端に位置するイエメンは、わが国ではほとんど知られてい
ない地域のひとつです。このイエメンはその西側に横たわる紅海と、南側に広が
るインド洋とに取り囲まれています。このふたつの海洋が連結するイエメンの近
海は今日、石油資源に乏しい日本へ輸送される原油を満載した大型タンカーが頻
繁に往来するところであり、その意味でわが国にとって大変に重要な海域です。
しかしながら現在、この海域では海賊が横行して、わが国に関係する船舶の往還
はその襲撃によって甚大な被害をうけており、その結果としてイエメンの近海は、
世界的にも非常に危険な海域としてみなされています。ところがイエメンはかつ
て、インド洋と紅海のふたつの大洋を通じて、西は北アフリカや地中海北岸、そ
して東は中国や東南アジアなどの諸地域と、国際貿易、国際関係、そして人の移
動と交流の観点において、広域的な連関を有するきわめて国際性豊かな地域でし
た。
 本書は、このような海洋と深い関わりのあるイエメンの歴史について、わが国
で初めて著された本格的な研究書です。本の表紙は、イエメン南東部シフル港で
著者自身が撮影した写真を使用していますが、青い空と海が海賊のイメージとは
ほど遠い印象です。また、あとがきの中でも触れられているように著者が調査の
ために現地の遺跡を訪れた際に、中国産磁器片を夢中で這いつくばって探し回っ
ていると気づかぬ間に人だかりができていて恥ずかしい思いをしたというように
熱心な若手研究者です。ぜひご一読いただければ幸いです。

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