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[2012年3月26日公開]

脳科学と哲学の出会い 脳・生命・心 (玉川大学出版部刊)

中山 剛史 編著

定価●4,000円+税

ISBN978-4-472-40353-8 C3047

A5判 / 256ページ / 並製

奥付の発行年月●2008年01月

 脳科学は人間の意識や心というものを解明できるだろうか。人間だけが意識を
もつことができるのはなぜか。チンパンジーやイルカには意識がないのか。脳と
心について考え始めると、謎は深まるばかりだ。
 本書は、心とは何か、人間とは何かについて、脳科学と哲学を専門とする研究
者が根源的な問いかけをし、論じたものである。異なるカードをニホンザルに見
せ、その反応から彼らの推論のメカニズムを探った論文や,人間の自由意思や行
動、医療について脳科学から何らかの画期的な知見がもたらされると、世界観や
倫理、法制度を揺るがしかねないと指摘する科学哲学者の論文など13論文が収め
られている。
 巻末には10人の発言者による興味深い座談会が掲載されており、今脳科学で明
らかにしようとしていることや、その研究の過程で、また得られた成果によって
生じる社会的問題について議論している。また、人間の経済行動や倫理的判断を
脳内の活動と対応させて解明を試みる研究・学問についても紹介される。脳科学
の現状と問題についてまず概観してみたいという人は、こちらの討論から読まれ
るといいだろう。
 脳科学の発達は間違いなく人間と社会のあり方を変えていくだろう。21世紀は
「脳科学」の時代だと言われるが、脳科学は、物理学が相対論や量子論の提唱で
大変貌を遂げたときと同様な段階にすでに突入しているのかもしれない。それと
もこれから転機となる発見がなされるのだろうか。その萌芽は、ひょっとすると
本書のどこかに垣間見えているのかもしれない。

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