大学出版部協会


編集者がすすめる一冊の本

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 少子高齢化がいわれて久しい。そして高齢化社会へと進んでいます。
 長寿の社会になったことは、歓迎すべきことですが、一方で将来を担う新しい
命の誕生が減少していることは大きな社会問題となっています。
 子どもの減少の要因はいろいろ考えられますが、妊娠・出産・子育ての環境が
十分に整っていないことが一因としてあげられるでしょう。
 本書は、永年子育て支援に関わってきた著者(小児科医)が、体験や調査研究
を通して得たものを子育て中の親に、そしてそれをサポートする方々に向けて書
き下ろしたもので、子育て中(とくに乳幼児期から学童期まで)に起こる病気や
不安、事故の防止、虐待などについて懇切に説明し、対処法などが示されていま
す。
 著者は「スピーキングマイノリティーだけでなく、サイレントマジョリティー
の意見を収集することを怠りなく続けていく」ことが子育て支援の充実につなが
ると強調しています。
 激しく変化する現代社会のなかでは、子育て中の親や子のニーズも変化してい
ます。親の子育て不安を解消するためには、サービスを提供する側にも、それに
対応する技術・方法が求められます。人は迷ったり、悩んだりするのが当たりま
えです。迷うからこそ、悩むからこそ前に進むことができるのです。「完全な人
はいない」のです。親も支援者も……。だからこそ社会で、地域で、支援・協力
し合う体制が必要なのです。
 少子化のなかで、子育ては、親の「頑張り」に頼るだけではなく、親へ、そし
て子へ、支援者の「寄り添ったサポート」ができるかが問われているのです。
 子育て中の方、子育て支援に関わる方々にぜひ一読していただきたい一冊です。

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